世界結界 [世界のコト]
本日はわたくし、藤音が世界結界というものについて考えたことをつらつらと書いてみますわ。
決してまとまっていたり、正しかったり、わかりやすかったりするわけではございませんので、その辺りはご了承願いますわね。
正直、わたくしは世界結界というものに少し危惧を抱いておりますの……
ええと、まず図書室の説明によりますと、世界結界というものは人の「不思議なことなど存在するはずがない」という思い込みの力、とありますわね。
要するに「常識」ということらしいのですが……これがとても強力なようで、見たものの認識をゆがめてしまうほどだとか。
例えばゴーストが妖獣が人間を襲っているところを一般人が目撃したとしても、恐ろしい動物が暴れている、という認識になってしまうようなのですわ。
これは「妖獣などいない」という常識が世界結界の力となり、見えている真実を別のものにすり替えているのだそうです。
また、この世界結界の力は人の多い場所ほど強力になるようで、そうした場所ではゴーストたちは活動できないようですわね。
現在はこの世界結界が完全ではなく、弱まっている状態なので、制限付きとはいえわたくしたち能力者や来訪者、ゴーストなどが存在するわけでございますが……
巡礼士の皆さまは世界結界を完全に修復しようとなさっているご様子。
となると当然能力者は能力を封じられ、ゴーストは存在を許されなくなるわけでございます。
つまり「常識」から外れた者たちは存在できなくなってしまうということですわね。
わたくしはここで一つ疑問を抱きましたの。
「常識」ってなんですの?と。
理由は簡単。世界結界のない13世紀以前はゴーストや能力者という存在が当たり前としてあったと推測できますわね。
過去の絵巻や伝承にもゴーストと思われるもののけの存在が語られていたり、それらを駆逐するための特殊な職業もございましたし。
つまりその頃の「常識」というのは全く違ったのではないか、と思っておりますの。
では何故、今現在は超常の力が「常識」の外にあるのか。
わたくしはここまで考えて世界結界に危惧を抱きましたわ。
以前の「常識」が世界結界によって「常識」ではなくなる。
それはつまり世界結界による意識の改竄ではないのでしょうか?
あくまで仮定の話でございますが、まず能力者の能力やゴースト、来訪者の持つ異能の力。
これらすべてをひと括りにできるとすれば「異なる次元(世界)から漏れ出した力」という仮定が考えられますわ。
生と死を分かつ者たちの存在するような別の世界、もしくは別の次元から一部だけ漏れ出したのが能力。
また、残留思念なども同じように漏れ出したもので、ゴーストはその派生。
そして来訪者はそのまま異界から来訪した方々。
全て元は「この世界以外」と括るとして、世界結界の力は「この世界以外のものを常識外とする」ものだったのではないかという考えに至りましたわ。
わたくしが危惧するのはその指定範囲ですわ。
今わたくしが異能を全て異世界や異次元としたのは、世界結界を作った人間が指定範囲をもっと自由に操作できるなら、自らの力まで手放すようなことまではしないと思ったからでございます。
ですがもしも……その「常識」の指定範囲を任意にできるとしたら……それは場合によってとても恐ろしいことになりますでしょうし、何よりも大多数の人々の意識を勝手に操作するというエゴとも取れてしまいますわ。
今のところ巡礼士の方々はとても誠実で実直な方ばかりのようなので大丈夫とは思いますが……
わたくしは世界結界を是とは取れませんわね。
それにわたくしはフランケンのシンと離れるつもりは毛頭ございませんの。
ああ、気付けばものすごく長い文章になった上にまとまりがございませんわね……
ここまで読んでいただいた方には謝罪と感謝を。
次はもっと精進するということでひとつご容赦くださいませ。
それではみなさま、御機嫌よう。
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